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育児・介護休業法の令和7年10月1日施行で、中小企業は何をしなければなりませんか?3歳から小学校就学前の子への5つの措置から2つ以上を選ぶ義務と、個別の意向確認を厚生労働省の資料で確認しました

2026-10-09 公開労務

育児・介護休業法の令和7年(2025年)10月1日施行分では、事業主は3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に対し、始業時刻の変更、テレワーク等(月10日以上)、保育施設の設置運営等、養育両立支援休暇の付与(年10日以上)、短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む)の5つから2つ以上を選んで講じる義務があります。措置を選ぶ際は過半数組合等からの意見聴取の機会を設けます。3歳未満の子を養育する労働者には、子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間に、措置の内容を個別に周知し利用意向を確認します。あわせて、妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前に、勤務時間帯・勤務地・制度の利用期間・業務量などの意向を聴取し、配慮します。令和7年4月1日施行分では、子の看護等休暇が小学3年生修了まで延長され、残業免除の対象が小学校就学前の子を養育する労働者に広がりました。ホフィットラボが2026年10月9日に厚生労働省の資料で確認しました。

令和7年10月1日から、事業主は何を義務として行わなければなりませんか?

3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に対して、5つの措置から2つ以上を選んで講じる義務があります。厚生労働省の育児休業制度特設サイトには、2025年(令和7年)10月1日から適用と書かれています。

厚生労働省の「法改正のポイント」ページでは、令和7年10月1日施行分として、次の3つが示されています。

  • 柔軟な働き方を実現するための措置として、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に対し、事業主が5つの選択肢から2つ以上を講じる義務。
  • 個別の周知・意向確認として、3歳未満の子を養育する労働者に、対象措置などを個別に周知し、利用意向を確認する義務。
  • 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮として、妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前に、労働者の意向を聴取し、配慮する義務。

ホフィットラボが2026年10月9日に厚生労働省の資料で確認しました。従業員数による適用除外は、確認した資料には書かれていません。中小企業も対象になります。

事業主が選べる5つの措置は何ですか?

始業時刻の変更、テレワーク等、保育施設の設置運営等、養育両立支援休暇の付与、短時間勤務制度の5つです。事業主は、このうち2つ以上を選んで講じなければなりません。

厚生労働省の用語辞典には、5つの措置の条件が次のように書かれています。

措置厚生労働省の資料に書かれた条件
始業時刻等の変更始業時刻等の変更(数値の条件は書かれていません)
テレワーク等10日以上/月
保育施設の設置運営等保育施設の設置運営等(数値の条件は書かれていません)
養育両立支援休暇の付与就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇の付与、10日以上/年
短時間勤務制度1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む

表の要点は、数値が決まっているのは、テレワーク等の月10日以上、養育両立支援休暇の年10日以上、短時間勤務制度の1日原則6時間の3つだけで、始業時刻の変更と保育施設の設置運営等には数値の条件が書かれていないことです。

労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選択して利用できます。たとえば、事業主がテレワーク等と短時間勤務制度の2つを講じた場合、労働者はこの2つから1つを選びます。

どの労働者が対象になり、労使協定で除外できるのは誰ですか?

対象は、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者です。日々雇用の労働者は除かれます。

労使協定を締結している場合は、次の2種類の労働者を対象外にできます。

  • 継続雇用期間が1年未満の労働者は、労使協定を締結すれば対象外にできます。
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は、労使協定を締結すれば対象外にできます。

労使協定がない場合は、継続雇用1年未満の労働者や週2日以下の労働者も対象に含まれます。人事担当者は、対象外にしたい労働者がいるかどうかを先に決め、労使協定の締結が必要かを判断します。

措置を選ぶとき、従業員の意見を聴く必要はありますか?

あります。事業主が措置を選択する際には、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。厚生労働省の育児休業制度特設サイトに、この旨が書かれています。

中小企業の人事担当者は、5つの措置のうちどの2つを選ぶかを決める前に、過半数組合等から意見を聴く機会を設けます。意見聴取の具体的な進め方は、管轄の都道府県労働局に確認してください。

個別の周知・意向確認は、いつ、どのように行いますか?

3歳未満の子を養育する労働者に対して、子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間に行います。厚生労働省の資料には、1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日までの期間と書かれています。

方法は、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかです。FAXと電子メール等は、労働者が希望した場合に限ります。面談はオンラインでも行えます。

個別に周知する事項は、次の3点です。

  • 事業主が選択した対象措置の内容を、労働者に周知します。
  • 対象措置の申出先を、労働者に周知します。
  • 所定外労働、時間外労働、深夜業の制限に関する制度を、労働者に周知します。

厚生労働省の資料には、妊娠・出産等の申出時や育児休業後の復帰時にも、定期的に実施することが望ましいと書かれています。

仕事と育児の両立に関する意向聴取・配慮は、何を聴いて、どう配慮しますか?

妊娠・出産等の申出時と、子が3歳になる前の時期に、労働者の意向を聴取し、配慮します。聴取の時期は、本人またはその配偶者の妊娠・出産等を申し出たときと、子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間です。

聴取する内容は、次の4つです。

  • 勤務時間帯(始業および終業の時刻)について、労働者の希望を聴取します。
  • 勤務地(就業の場所)について、労働者の希望を聴取します。
  • 両立支援制度等の利用期間について、労働者の希望を聴取します。
  • 仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)について、労働者の希望を聴取します。

聴取の方法は、個別の周知・意向確認と同じで、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかです。FAXと電子メールは労働者が希望した場合に限り、面談はオンラインも可能です。

配慮の例は、勤務時間帯や勤務地の配置、業務量の調整、両立支援制度の利用期間の見直し、労働条件の見直しです。自社の状況に応じて措置を行うかを決めます。希望に沿うことが難しい場合は、理由を労働者に説明することが重要とされています。

厚生労働省の資料には、子に障害がある場合は短時間勤務制度や子の看護等休暇の利用可能期間を延長すること、ひとり親家庭の場合は子の看護等休暇の付与日数に配慮することが、望ましい配慮として挙げられています。

個別の周知・意向確認と、意向聴取・配慮は、何が違いますか?

対象と時期、目的が違います。個別の周知・意向確認は、3歳未満の子を養育する労働者に、事業主が選んだ措置の内容を知らせ、利用するかを確かめるものです。意向聴取・配慮は、勤務時間帯や勤務地など働き方の希望を聴き、できる範囲で応えるものです。

項目個別の周知・意向確認意向聴取・配慮
対象3歳未満の子を養育する労働者妊娠・出産等を申し出た労働者と、子が3歳になる前の労働者
内容選んだ措置の内容、申出先、残業や深夜業の制限制度を周知し、利用意向を確認勤務時間帯、勤務地、制度の利用期間、業務量・労働条件の希望を聴取し、配慮
時期子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間妊娠・出産等の申出時と、子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間

表の要点は、子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間は、個別の周知・意向確認と意向聴取の両方の時期にあたることです。実施方法は管轄の都道府県労働局に確認してください。

令和7年4月1日施行分では、何が変わりましたか?

令和7年4月1日施行分では、5つの項目が変わっています。厚生労働省の「法改正のポイント」ページに、次の内容が書かれています。

  • 子の看護休暇は「子の看護等休暇」に名称が変わり、対象は小学3年生修了までに延長されました。取得事由には、感染症に伴う学級閉鎖等と、入園・卒園式が加わりました。労使協定で除外できるのは、週の所定労働日数が2日以下の労働者のみになりました。
  • 所定外労働の制限(残業免除)を請求できる対象が、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に広がりました。
  • 3歳未満の子を養育する労働者への短時間勤務の代替措置に、テレワーク等が加わりました。あわせて、テレワーク等を選べる措置を講じることが事業主の努力義務になりました。
  • 育児休業等の取得状況の公表義務は、従業員1,000人超の企業に加え、300人超1,000人以下の企業にも広がりました。
  • 次世代育成支援対策推進法の改正で、従業員100人超の企業は、行動計画の策定・変更時に、育児休業等の取得状況や労働時間の把握と数値目標の設定が義務になりました。

従業員が300人以下の中小企業は、公表義務の拡大の対象に含まれません。100人以下の企業は、次世代育成支援対策推進法の数値目標の設定義務の対象に含まれません。

中小企業の人事担当者は、何から着手すればよいですか?

次の5点を、この順で進めます。

  • 5つの措置のうち、自社で実施できる2つ以上を選びます。数値が決まっているテレワーク等(月10日以上)、養育両立支援休暇(年10日以上)、短時間勤務制度(1日原則6時間を含む)は、現在の制度との差を先に確認します。
  • 措置を選ぶ前に、過半数組合等から意見を聴く機会を設けます。
  • 継続雇用1年未満の労働者や週の所定労働日数が2日以下の労働者を対象外にする場合は、労使協定を締結します。
  • 就業規則(育児・介護休業規程)に、選んだ措置を定めます。厚生労働省は、令和7年4月1日と10月1日の施行に対応した規則の規定例を公開しています。
  • 子が3歳になる前の労働者を把握し、誕生日の1か月前までの1年間に、個別の周知・意向確認と意向聴取を行う予定を立てます。

本記事で確認した内容と確認日

ホフィットラボは2026年10月9日に、厚生労働省の育児休業制度特設サイトの「柔軟な働き方を実現するための措置」と「法改正のポイント」の2ページ、および母性健康管理に関する用語辞典の「柔軟な働き方を実現するための措置」のページを確認しました。

確認した内容は、令和7年10月1日の適用開始、5つの措置とその数値条件、対象労働者と労使協定による除外、過半数組合等からの意見聴取、個別の周知・意向確認の時期・方法・周知事項、意向聴取・配慮の時期・聴取内容・配慮の例、令和7年4月1日施行分の概要です。罰則や不利益取扱いの扱いは、確認した範囲には書かれていません。個別の事案は、管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に確認してください。

出典(いずれも公式サイト・公式資料)

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