36協定で残業させられる時間の上限は何時間ですか?原則は月45時間・年360時間、特別条項でも年720時間以内・単月100時間未満で、中小企業は2020年4月から適用されています
36協定とは何ですか?
使用者が、労働者の過半数で組織する労働組合、またはそれがない場合は労働者の過半数を代表する者と書面で結び、行政官庁に届け出る協定です。条文は労働基準法第36条です。ホフィットラボが2026年10月14日に、e-Gov法令検索で条文を確認しました。
e-Gov法令検索の労働基準法第36条第1項には、書面による協定を行い、厚生労働省令で定めるところにより行政官庁に届け出た場合は、協定で定めるところによって労働時間を延長し、または休日に労働させることができると書かれています。協定を届け出ずに法定労働時間を超えて働かせることはできません。
同条第2項には、協定で定める事項として、対象となる労働者の範囲、対象期間(1年間に限る)、労働時間を延長できる場合、対象期間における1日・1か月・1年のそれぞれの延長できる時間または休日労働の日数などが挙げられています。
時間外労働の原則の上限は何時間ですか?
1か月45時間、1年360時間です。労働基準法第36条第4項に、限度時間は1か月について45時間および1年について360時間と書かれています。
働き方改革推進支援センター(厚生労働省委託事業)の「時間外労働の上限規制」のページにも、残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間と書かれています。第36条第3項には、協定で定める延長時間は、通常予見される時間外労働の範囲内で、この限度時間を超えない時間に限ると書かれています。
なお、第32条の4第1項第2号の対象期間として3か月を超える期間を定める1年単位の変形労働時間制で働かせる場合の限度時間は、1か月42時間・1年320時間です。
特別条項を付けると、上限はどうなりますか?
時間外労働は年720時間以内、時間外と休日労働の合計は単月で100時間未満になります。第36条第5項に、通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合に、協定に定められると書かれています。
| 項目 | 上限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1か月(時間外労働と休日労働の合計) | 100時間未満 | 第36条第5項、第6項第2号 |
| 1年(時間外労働) | 720時間以内 | 第36条第5項 |
| 2か月から6か月の各平均(時間外労働と休日労働の合計) | 80時間以内 | 第36条第6項第3号 |
| 月45時間を超えられる月数 | 1年について6か月以内 | 第36条第5項 |
働き方改革推進支援センターのページには、特別条項の上限として、年720時間以内、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満、原則である月45時間を超えられるのは年間6か月までと書かれています。
特別条項を協定する場合は、月45時間を超えることができる月数(1年について6か月以内)を、協定に定めなければなりません。第36条第5項に書かれています。
上限は協定を結べば超えてもよいのですか?
超えられません。第36条第6項は、協定で定めた範囲内で働かせる場合でも、使用者が満たさなければならない要件を定めています。
- 1箇月について、時間外労働と休日労働の合計が100時間未満であること(第2号)。
- 対象期間の初日から1箇月ごとに区分した各期間に、直前の1箇月から5箇月までの期間を加えたそれぞれの期間で、時間外労働と休日労働の1箇月あたり平均が80時間を超えないこと(第3号)。
- 坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務では、1日の時間外労働が2時間を超えないこと(第1号)。
第6項の要件は、特別条項を付けていない場合にも適用されます。条文には、協定で定めるところによって労働させる場合であっても、これらの要件を満たすものとしなければならないと書かれています。
中小企業はいつから上限規制が適用されていますか?
2020年4月からです。働き方改革推進支援センターの「時間外労働の上限規制」のページには、中小企業は2020年4月からと書かれています。2026年10月14日時点では、中小企業にも上限規制が適用されています。
上限を守らなかった場合の罰則は何ですか?
6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。労働基準法第119条第1号に、第36条第6項に違反した者は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると書かれています。e-Gov法令検索の同条で確認しました。
事業主は、2026年10月14日時点で何を確認すればよいですか?
36協定の有効期間、特別条項の数字、直近の実績の3点です。
- 36協定の対象期間(1年間)が切れていないか、行政官庁への届出が済んでいるかを確認します。
- 特別条項を付けている場合は、年720時間以内、月45時間超は年6か月以内、単月100時間未満の数字が協定に書かれているかを確認します。
- 労働者ごとに、時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満、2か月から6か月の平均が80時間以内に収まっているかを、勤怠の記録で確認します。
本記事で確認した内容と確認日
ホフィットラボは2026年10月14日に、e-Gov法令検索の労働基準法(昭和22年法律第49号)の第36条と第119条、働き方改革推進支援センター(厚生労働省委託事業)の「時間外労働の上限規制」のページを確認しました。
確認した内容は、36協定の届出、限度時間、特別条項の上限、第6項の要件、中小企業の適用開始時期、罰則の根拠条文です。個別の事案は、管轄の労働基準監督署に確認してください。
出典(いずれも公式サイト・公式資料)
- e-Gov法令検索「労働基準法(昭和22年法律第49号)」第36条・第119条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 働き方改革推進支援センター(厚生労働省委託事業)「時間外労働の上限規制」 https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/overtime.html
