令和8年分の法定調書はいつまでに出しますか?提出期限は2027年2月1日(月)、前々年の提出枚数が30枚以上ならe-Tax等で出し、源泉徴収票は税務署分が不要になります
令和8年分の法定調書はいつまでに出しますか?
2027年2月1日(月)までに所轄税務署へ出します。国税庁の「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(令和8年8月1日現在の法令に基づく)の表紙には、手引に示す法定調書の提出期限は令和9年2月1日(月)ですと書かれています。第1章にも、手引で示す法定調書は令和9年2月1日(月)までに所轄税務署に提出しなければならないと書かれています。
この手引が扱う法定調書は、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票・特別徴収票、報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書、不動産の使用料等の支払調書、不動産等の譲受けの対価の支払調書、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書の6種類です。国税庁の手引には、令和8年8月現在で法定調書は全部で63種類あり、手引はそのうち多くの方が提出しなければならない6種類をまとめたものと書かれています。ホフィット中小企業ラボが2026年10月5日に国税庁の手引で確認しました。
1月31日が日曜日の場合、提出期限はいつですか?
2027年1月31日は日曜日で、手引は期限を翌日の2月1日(月)と案内しています。令和8年分の手引の期限は「令和9年2月1日(月)」と書かれており、1月31日そのものを期限とした記載はありません。前年の令和7年分の手引も、1月31日が土曜日だった2026年について、期限を令和8年2月2日(月)と案内していました。
法定調書は毎年「1月31日」と覚えている会社は、2027年は2月1日の月曜日が期限になると読み替えます。ただし、日曜日の1月31日に出せなくなるわけではありません。e-Taxで提出する場合は、期限前の平日のうちに送信を終えておく段取りが安全です。
法定調書合計表とは何ですか?
法定調書を税務署に出すときに、法定調書とセットで出す集計表です。国税庁の手引には、法定調書を税務署に提出する際は、作成した「法定調書」と「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を併せて提出してくださいと書かれています。
合計表は、手引の第8章で書き方が説明されています。報酬・料金等、不動産の使用料等、不動産等の譲受けの対価、不動産売買等のあっせん手数料のそれぞれについて、「総額」と「うち支払調書を提出するもの」の人員(件数)と支払金額を書く欄があります。支払調書の提出範囲に満たない支払も、総額の欄には含まれます。
提出が必要になる金額の基準はいくらですか?
法定調書の種類ごとに、同一の人への1年間の支払金額の合計で決まります。令和8年分の手引に書かれている基準は次の表のとおりです。
| 法定調書の種類 | 提出範囲(令和8年中の同一の人への支払金額の合計) |
|---|---|
| 報酬、料金等:外交員・集金人・検針人・プロボクサーの報酬、ホステス・コンパニオン等の報酬、広告宣伝のための賞金、診療報酬 | 50万円を超えるもの |
| 報酬、料金等:プロ野球選手などの報酬・契約金、上記以外の報酬・料金等 | 5万円を超えるもの |
| 馬主が受ける競馬の賞金 | 1回の支払賞金額が75万円を超える支払を受けた人の、その年の全ての支払金額 |
| 不動産の使用料等 | 15万円を超えるもの |
| 不動産等の譲受けの対価 | 100万円を超えるもの |
| 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料 | 15万円を超えるもの |
| 給与所得の源泉徴収票 | 年の中途で退職した人への支払が30万円以下の場合以外の給与等のすべて |
| 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票 | 令和8年中に支払が確定した退職手当等のすべて |
表の要点は、報酬・料金等のうち、(1)から(6)に当たらない「上記以外の報酬、料金等」は5万円を超えると提出範囲に入ることです。外交員やホステス等の50万円とは別の基準なので、取引先ごとにどの区分に当たるかを見てから金額を判定します。報酬・料金等の表の(6)プロ野球の選手などと(7)上記以外の報酬・料金等は、国税庁の表では同じ「5万円を超えるもの」の欄にまとめて書かれています。
金額の判定に消費税は含めますか?
原則として消費税及び地方消費税を含めて判定します。国税庁の手引の「法定調書の提出範囲の金額基準の判定及び記載方法について」には、提出範囲の金額基準の判定に当たっては、原則として消費税等の額を含めること、消費税等の額が明確に区分されている場合にはその額を含めないで判定しても差し支えないことが書かれています。
給与所得の源泉徴収票は2027年1月から何が変わりますか?
税務署に出す源泉徴収票が、原則として不要になります。国税庁の手引には、令和9年1月1日以降、市区町村に給与支払報告書を提出した場合は、税務署に給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされると書かれています(源泉徴収票のみなし提出の特例)。令和8年分以降は、税務署提出用の給与所得の源泉徴収票を作成・提出する必要がなくなります。
受給者である従業員への源泉徴収票の交付は、引き続き必要です。手引には「受給者に対しては、引き続き、給与所得の源泉徴収票を交付する必要があります」と書かれています。年末調整の後に従業員へ渡す源泉徴収票の作成は、これまでと変わりません。
あわせて、給与所得の源泉徴収票の提出範囲が、給与支払報告書の提出範囲と同一になりました。手引は、令和8年分以降の提出範囲について、給与所得の源泉徴収票の提出範囲が拡大し、給与支払報告書の提出範囲と同一になったと書いています。
給与支払報告書はどこへ、いつまでに出しますか?
従業員が令和9年1月1日現在で住んでいる市区町村へ、2027年2月1日(月)までに出します。国税庁の手引には、給与支払報告書は原則として受給者の令和9年1月1日現在の住所地の市区町村に提出すること、提出期限は令和9年2月1日(月)であることが書かれています。
年の中途で退職した人は、退職時の住所地の市区町村に出します。退職した人への給与等の支払金額が30万円以下の場合は、提出を省略できます。提出方法は、地方税ポータルシステム(eLTAX)、光ディスク等、書面のいずれかです。手引は、eLTAXを使うと給与支払報告書のデータが提出先の各市区町村に自動で振り分けて送信されるため、事務負担が軽くなるとして、eLTAXの利用を勧めています。
給与支払報告書をeLTAXで出すと、従業員が確定申告をするときのマイナポータル連携の対象にもなり、確定申告書に給与情報が自動入力される、と手引に書かれています。令和9年1月からのみなし提出の特例で、税務署分の源泉徴収票の代わりになるのも、この市区町村への給与支払報告書です。出し忘れると税務署にも出していないことになる点に注意します。
退職所得の源泉徴収票は何が変わりましたか?
令和8年分から、全員分を税務署に出す必要があります。国税庁の手引には、令和8年分以降、退職所得の源泉徴収票の提出省略範囲を定める規定が廃止され、すべての居住者に支払う退職手当等に係る退職所得の源泉徴収票を税務署に提出しなければならなくなったと書かれています。これまでは、法人の役員に支払う退職手当等についてだけ提出が必要でした。
提出期限は、退職後1か月以内です。手引には、令和8年中に退職した人の分を取りまとめて令和9年2月1日までに提出しても差し支えないと書かれています。死亡退職の場合は、相続税法の規定による「退職手当金等受給者別支払調書」を出すため、この源泉徴収票は不要です。
e-Taxなど電子での提出が義務になるのはどんな場合ですか?
前々年に提出すべきだった法定調書の枚数が30枚以上の場合です。国税庁の手引には、前々年(基準年)に提出すべきであった法定調書の枚数が30枚以上である法定調書については、e-Tax等による提出が必要と書かれています。令和9年1月以降に提出する法定調書の基準年は令和7年で、提出枚数の基準は「100枚以上」から「30枚以上」に引き下げられました。
| 電子での提出方法 | 国税庁の手引の説明 |
|---|---|
| e-Tax | e-Taxを利用して法定調書の作成と提出を行う。事前に所轄税務署へ開始届出書を提出して利用者識別番号を取得する |
| 認定クラウド等 | 認定クラウド等の提出領域に法定調書のデータを記録し、税務署長にアクセス権限を付与して提出する。事前に利用契約と、所轄税務署への利用開始の届出が必要 |
| 光ディスク等 | 法定調書をCSV形式で作成し、CD・DVDなどにデータを格納して提出する |
表の要点は、書面で出せるのは30枚未満の法定調書に限られ、30枚以上の種類は書面では出せないことです。手引は、30枚以上に該当する法定調書は書面での提出はできませんと書いています。
義務の判定は、法定調書の種類ごとに行います。報酬・料金等の支払調書が20枚、不動産の使用料等の支払調書が10枚なら、どちらも30枚未満なので義務はありません。給与支払報告書については、基準年に税務署へ提出すべきだった給与所得の源泉徴収票(みなし提出の特例で税務署に提出したものとみなされたものも含みます)が30枚以上なら、eLTAXまたは光ディスク等の電子的方法で出す必要があります。
2026年のうちに何を準備しておけばよいですか?
提出枚数の確認、給与支払報告書の出し方、書面様式の3つです。
1つ目は、令和7年に提出した法定調書の枚数です。法定調書の種類ごとに30枚以上のものがあれば、2027年1月の提出はe-Tax等になります。e-Taxを使うには、事前に所轄税務署へ開始届出書を提出して利用者識別番号を取得する手続が必要なので、提出直前の1月ではなく年内に済ませます。前年の控えや提出済みの合計表で、種類ごとの枚数を数えます。
2つ目は、給与支払報告書を市区町村へ確実に出す段取りです。2027年1月以降は、市区町村への給与支払報告書が税務署分の源泉徴収票を兼ねるため、給与計算ソフトで税務署提出用の源泉徴収票を作る運用をやめられるかを確認します。eLTAXの利用届出が済んでいない会社は、これも年内に確認します。従業員に渡す源泉徴収票は、これまでどおり作ります。
3つ目は、書面で出す場合の様式です。国税庁の手引には、令和8年9月の国税システムの更改に伴い、書面で税務署に提出する際の法定調書の様式が変更されたと書かれています。書面で出す場合は、国税庁のホームページからダウンロードした最新の様式を使います。支払調書を出す取引先については、年内に住所・氏名・マイナンバー又は法人番号を契約書等で確認しておくと、1月の作成が進みます。
この記事で確認した内容と確認日
ホフィット中小企業ラボは2026年10月5日に、国税庁の「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(令和8年8月1日現在の法令に基づく)の全文と、「令和7年分」の手引のうち提出期限と報酬・料金等の提出範囲のページを確認しました。
令和8年分の手引で、提出期限、合計表、各法定調書の提出範囲、源泉徴収票のみなし提出の特例、給与支払報告書、退職所得の源泉徴収票、e-Tax等による提出義務(30枚以上)、消費税等の判定を確認しています。報酬・料金等の提出範囲の表は、令和7年分の手引の同じ表と令和8年分の手引の文言が一致することも確認しました。実際の提出義務の有無や金額の判定は、取引ごとの内容で変わるため、提出前に国税庁の手引と所轄の税務署で確認してください。
出典(いずれも各社公式サイト)
- 国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(令和8年8月1日現在の法令に基づく) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebiki2026/PDF/all.pdf
- 国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 提出期限」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebikihtml/1-1.htm
- 国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 提出する必要がある方」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebikihtml/4-1.htm