令和9年分の源泉徴収税額表はいつから使いますか?2027年1月1日以後に支払う給与から新しい月額表に切り替え、甲欄0人の非課税ラインは月11万1,000円未満に上がります
令和9年分の源泉徴収税額表はいつから使いますか?
令和9年1月1日以後に支払う給与と賞与からです。国税庁の「令和9年分 源泉徴収税額表」のページには、この税額表は令和9年分の給与等について所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税を併せて源泉徴収する際に使用するものと書かれています。同じページに、令和8年分以前の給与等について税額を算出する際にはこの税額表を使用しないでくださいとも書かれています。
2026年12月に支払う給与は令和8年分なので、令和8年分の税額表を使います。2027年1月に支払う給与から令和9年分に切り替えます。切り替えの基準は支払日で、12月分の給与を1月に支払う会社は1月支払分から令和9年分の税額表です。ホフィット中小企業ラボが2026年10月2日に国税庁のページで確認しました。
令和9年分の税額表は何が変わりましたか?
基礎控除の引上げと給与所得控除の最低保障額の引上げを反映して、税額が全体に下がりました。国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月)には、所得税法の基礎控除額が58万円から62万円に引き上げられ、給与所得控除の65万円の最低保障額が74万円に引き上げられたこと、この2つの引上げに伴って令和9年分以後の源泉徴収税額表が改正されたことが書かれています。
令和9年分の月額表は令和8年4月30日財務省告示第127号の別表第一です。令和8年分の月額表は平成24年3月31日財務省告示第115号の別表第一を令和7年4月30日の告示で改正したもので、告示そのものが新しくなりました。税額表の構成(月額表・日額表・賞与の算出率の表・退職所得の速算表)と、甲欄・乙欄・丙欄の使い分けに変更はありません。
税額はいくら変わりますか?
社会保険料控除後の月給が同じなら、甲欄の税額は数十円から数百円下がります。ホフィット中小企業ラボが令和8年分と令和9年分の月額表を同じ行で比べました。
| 社会保険料等控除後の月給 | 令和8年分 甲欄0人 | 令和9年分 甲欄0人 | 差額 | 令和8年分 甲欄1人 | 令和9年分 甲欄1人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10万5,000円未満 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 10万5,000円以上10万7,000円未満 | 170円 | 0円 | 170円減 | 0円 | 0円 |
| 10万9,000円以上11万1,000円未満 | 380円 | 0円 | 380円減 | 0円 | 0円 |
| 11万1,000円以上11万3,000円未満 | 480円 | 140円 | 340円減 | 0円 | 0円 |
| 14万9,000円以上15万1,000円未満 | 2,420円 | 2,080円 | 340円減 | 810円 | 470円 |
| 19万9,000円以上20万1,000円未満 | 4,340円 | 4,170円 | 170円減 | 2,730円 | 2,550円 |
| 25万1,000円以上25万4,000円未満 | 6,220円 | 6,040円 | 180円減 | 4,590円 | 4,430円 |
| 29万9,000円以上30万2,000円未満 | 7,930円 | 7,760円 | 170円減 | 6,320円 | 6,150円 |
| 40万1,000円以上40万4,000円未満 | 1万5,900円 | 1万5,560円 | 340円減 | 1万2,670円 | 1万2,320円 |
| 60万5,000円以上60万8,000円未満 | 4万6,500円 | 4万5,820円 | 680円減 | 4万30円 | 3万9,350円 |
表の要点は、甲欄の月額の税額が月給20万円前後で170円、月給40万円前後で340円、月給60万円前後で680円下がることです。税額が0円になる上限(甲欄0人)は、令和8年分の10万5,000円未満から令和9年分は11万1,000円未満に6,000円上がりました。令和8年分の月額表で10万5,000円以上10万7,000円未満の行は170円でしたが、令和9年分では同じ行が0円です。
乙欄も下がります。29万9,000円以上30万2,000円未満の行の乙欄は令和8年分が5万3,600円、令和9年分が5万3,200円で400円の減少です。乙欄の最低区分(甲欄で0円になる金額未満)の「社会保険料等控除後の給与等の金額の3.063%」は令和8年分と令和9年分で同じ率です。
2026年の年末調整は何が変わりますか?
令和8年12月の年末調整で、改正後の基礎控除額と新しい「給与所得控除後の給与等の金額の表」を使って1年分の税額を計算します。国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし」には、令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更は生じないこと、令和8年分の年末調整の際に引上げ後の基礎控除額と改正後の表に基づいて1年間の税額を計算し、改正前の源泉徴収税額表によって計算した源泉徴収税額との精算を行うことが書かれています。
毎月の源泉徴収は令和8年分の税額表(改正前)で続け、12月の年末調整で改正後の控除額で年税額を出すため、2026年の年末調整は例年より還付が多く出る計算になります。改正後の基礎控除額は所得税法の62万円に租税特別措置法の加算額を加えた額で、合計所得金額132万円以下(給与収入206万円以下)の人は令和8・9年分で104万円です。国税庁の資料には、合計所得金額2,350万円超の場合の基礎控除額に改正はないと書かれています。
扶養親族の所得要件はいつから変わりますか?
令和8年12月1日以後に支払う給与からです。国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし」には、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件が合計所得金額58万円以下から62万円以下に、特定親族が62万円超123万円以下に、配偶者特別控除の対象となる配偶者が62万円超133万円以下に、勤労学生が85万円以下から89万円以下に改正され、令和8年分の給与等の源泉徴収事務では令和8年12月1日以後に支払う給与等から適用されると書かれています。
| 区分 | 改正前の所得要件(給与収入のみの場合) | 改正後の所得要件(給与収入のみの場合) |
|---|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者 | 58万円以下(123万円以下) | 62万円以下(136万円以下) |
| 特定親族(19歳以上23歳未満) | 58万円超123万円以下(123万円超188万円以下) | 62万円超123万円以下(136万円超197万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象配偶者 | 58万円超133万円以下(123万円超201万5,999円以下) | 62万円超133万円以下(136万円超207万円以下) |
| 勤労学生 | 85万円以下(150万円以下) | 89万円以下(163万円以下) |
表の要点は、給与収入136万円までの配偶者や子が扶養親族等に入るようになることです。国税庁の資料には、この改正により新たに扶養親族等の要件を満たすこととなった親族等に係る扶養控除等の適用を受けるためには、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等の提出が必要と書かれています。年収124万円から136万円の配偶者や子がいる従業員は、12月の給与計算前に申告書の再提出を受けます。
公的年金の源泉徴収は何が変わりますか?
令和9年1月1日以後に支払う公的年金等から、源泉徴収の基礎的控除額が引き上げられます。国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし」には、65歳以上で年金額242万円以下の場合の令和9年分の基礎的控除額は公的年金等の月割額×25%+11万円(18万円未満となる場合は18万円)、65歳未満で213万円以下の場合は月割額×25%+11万円(14万円未満となる場合は14万円)と書かれています。
源泉徴収を要しない公的年金等の額は、令和9年分で65歳以上が214万円(2階部分のみの場合は137万円)、65歳未満が164万円です。令和8年12月の年金支払時に、年金の支払者が令和9年分の基礎的控除額を用いて計算した1年分の税額と既に源泉徴収した税額とを精算し、還付すべき金額は原則として年金の支払者から還付されます。
令和10年分以後はどうなりますか?
基礎控除の加算額と給与所得控除の計算が令和10年分から変わり、以後は2年ごとに物価で見直されます。国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし」には、合計所得金額132万円以下の基礎控除額が令和8・9年分の104万円から令和10年分以後は99万円になること、給与等の収入金額190万円以下の給与所得控除額が令和8・9年分の74万円から令和10年分以後は収入金額×30%+8万円(69万円未満となる場合は69万円)になることが書かれています。
同じ資料に、令和10年分以後の基礎控除額と給与所得控除の最低保障額は2年ごとに全国消費者物価指数の変化率を乗じた額を基準として見直すことを基本とすると書かれています。令和9年分の税額表は令和9年の1年間だけ使い、令和10年分は改めて公表される税額表に切り替える前提で給与計算の年次更新を組みます。
2026年10月の時点で何を確認すればよいですか?
給与計算ソフトの令和9年分対応、年末調整の控除額の切り替え、扶養控除等申告書の再提出の3つです。給与計算ソフトを使っている会社は、2027年1月支払分の計算前に令和9年分の税額表が組み込まれた版へ更新されるかを確認します。手計算や自作の表で計算している会社は、国税庁の令和9年分月額表(Excel版あり)を2026年12月中に差し替えます。
年末調整は、2026年12月の計算で改正後の基礎控除額(合計所得金額132万円以下は104万円)と新しい「給与所得控除後の給与等の金額の表」を使います。扶養控除等申告書は、給与収入124万円から136万円の配偶者・子がいる従業員と、19歳以上23歳未満で給与収入136万円から197万円の子がいる従業員に、12月1日の給与支払前に異動申告書を出してもらいます。令和9年1月以降に提出する法定調書は、前々年の提出枚数が30枚以上ならe-Tax等での提出が義務になる点も、同じ時期に確認します。
この記事で確認した内容と確認日
ホフィット中小企業ラボは2026年10月2日に、国税庁の「令和9年分 源泉徴収税額表」のページ、「給与所得の源泉徴収税額表(令和9年分)月額表」(令和8年4月30日財務省告示第127号別表第一)、「令和8年分 源泉徴収税額表 月額表」、「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月)、「令和9年分 給与所得の源泉徴収税額の求め方」、「源泉徴収義務者(給与の支払者)の方へ(令和8年分)」のページを確認しました。
令和8年分と令和9年分の月額表の同じ行の税額と差額は、ホフィット中小企業ラボが2つの月額表から転記して計算したものです。国税庁の資料に比較表として載っているものではありません。実際の源泉徴収税額は扶養親族等の数、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生の該当、社会保険料の額で変わるため、給与計算の前に国税庁の税額表と「給与所得の源泉徴収税額の求め方」で確認してください。
出典(いずれも各社公式サイト)
- 国税庁「令和9年分 源泉徴収税額表」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2027/01.htm
- 国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和9年分)月額表」(令和8年4月30日財務省告示第127号別表第一) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2027/data/01-07.pdf
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表 月額表」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2026/data/01-07.pdf
- 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf
- 国税庁「令和9年分 給与所得の源泉徴収税額の求め方」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2027/data/19-22.pdf
- 国税庁「源泉徴収義務者(給与の支払者)の方へ(令和8年分)」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index/gimusya.htm