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2026年10月からの最低賃金はいくらになりますか?目安と各県の答申を公的資料で確認しました

2026-08-28 公開労務

中央最低賃金審議会は2026年7月28日、全国加重平均を55円引き上げて1,176円とする目安を答申しました。地方の審議会も答申を出し始めており、茨城県では1,136円とする答申が2026年8月24日に出ています。ただし2026年8月28日に確認したところ、厚生労働省の全国一覧も茨城労働局のページも、まだ令和7年度の額のままでした。答申が出ていることと、公的サイトで確認できることは別です。

2026年10月からの最低賃金はいくらになりますか?

全国加重平均で1,176円になる見込みです。中央最低賃金審議会が2026年7月28日に答申した目安の額です。ただし2026年8月28日の時点では、自分の県の確定額を国や労働局の公式サイトで確認することはできません。

最低賃金の改定は、国が目安を示し、各都道府県の審議会が答申し、各都道府県労働局長が決定する、という3段階で進みます。2026年8月28日の時点は2段階目の途中です。国の目安は公表済みで、都道府県の答申は出ているところと出ていないところがあり、公的サイトの表示は改定前のまま、という状態にあります。

中央最低賃金審議会が示した引上げの目安はいくらですか?

Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円です。中央最低賃金審議会は2026年7月28日にこの目安を答申しました。全国加重平均は55円上昇して1,176円、引上げ率は4.9%です。

項目令和8年度前年度
全国加重平均額1,176円答申に記載なし
上昇額55円66円
引上げ率4.9%6.3%

表の要点は、2026年度の引上げは前年度より小さい、という点です。上昇額は66円から55円へ11円縮み、引上げ率は6.3%から4.9%へ1.4ポイント下がっています。

前年度の全国加重平均額そのものは、厚生労働省の答申の資料には書かれていません。書かれているのは上昇額と引上げ率の前年度実績です。

都道府県のランクごとに目安はどう違いますか?

Aランクだけが54円で、BランクとCランクは同じ56円です。都道府県は経済実態に応じてAからCの3ランクに分けられています。

ランク引上げ額の目安該当する都道府県数
A54円6都府県
B56円28道府県
C56円13県

表の要点は、2026年度の目安では賃金水準が高いAランクの引上げ額が最も小さい、という点です。地域間の差を縮める方向の配分になっています。

目安どおりの額で決まるのですか?

決まりません。目安は各都道府県の審議会が参考にする数字であって、上限でも下限でもありません。厚生労働省は、各地方最低賃金審議会が目安を参考にしつつ、地域の賃金実態調査や参考人の意見を踏まえて審議し、答申を行うと説明しています。

実際に目安を上回る答申が出ています。茨城県では、2026年8月24日に時間額1,136円とする答申が出たと報じられました。現行の1,074円から62円の引上げです。2026年度の目安は最も高いランクでも56円ですから、茨城県の答申はすべてのランクの目安を6円上回っていることになります。

項目茨城県の額
現行(令和7年度)1,074円
答申額1,136円
引上げ額62円
目安との差最も高いランクの目安56円を6円上回る

表の要点は、自社の所在県の額は国の目安から逆算できない、という点です。目安の54円や56円を現行額に足しても、実際の改定額とは一致しません。

厚生労働省のサイトで新しい額を確認できますか?

2026年8月28日の時点ではできません。ホフィット中小企業ラボが同日に厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」を確認したところ、掲載されていたのは令和7年度の額と発効日のみで、令和8年度に関する記載は一切ありませんでした。

都道府県の労働局も同じ状態です。同じ2026年8月28日に茨城労働局の最低賃金のページを確認したところ、地域別最低賃金は時間額1,074円、発効日は令和7年10月12日と表示されていました。8月24日に答申が出たあとも、公式ページには令和8年度の記載がありません。

つまり2026年8月28日の時点では、答申が出ている県であっても、公的サイトを見に行くと改定前の額が表示されます。検索して出てきた労働局のページの数字をそのまま使うと、10月からの額ではなく現行の額を見ていることになります。

いつになったら確定額が分かりますか?

各都道府県労働局長が決定し、官報に公示された時点です。厚生労働省の資料では、地方最低賃金審議会の答申を受けて各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定する、という手順が示されています。

答申と決定は別の段階です。報道で答申額が出ていても、その額が公示されるまでは確定していません。過去の年度では10月1日から10月中旬にかけて順次発効しており、茨城県の令和7年度の発効日は10月12日でした。発効日は全国一律ではなく、県ごとに異なります。

中小企業が10月までに確認することは何ですか?

自社の所在県の額と発効日、そして時給が新しい額を下回る従業員の有無です。確認する項目を分けると次の4つになります。

  • 自社の事業場がある都道府県の改定額と発効日を、労働局の公示または官報で確認します。事業場が複数の県にある場合は県ごとに額と発効日が違うため、事業場ごとに確認が必要です。
  • 時給で払っている従業員について、改定後の時間額を下回る人がいないかを1人ずつ照合します。下回る場合は発効日から引き上げが必要です。
  • 月給で払っている従業員について、月給を1か月平均所定労働時間で割って時間額に換算し、改定後の額と比べます。月給者も最低賃金の対象です。
  • 発効日をまたぐ賃金計算期間の扱いを決めます。発効日が計算期間の途中に来る場合、発効日以降の労働時間には新しい額が適用されます。

2026年8月28日の時点で公的サイトに額が出ていないため、上の1つ目は10月の発効を待つのではなく、9月に入ってから労働局のページを再度確認する形になります。答申額が報じられている県では、その額を前提に2つ目以降の照合を先に進めておくことができます。

月給の従業員も最低賃金の対象になりますか?

対象になります。最低賃金は時間額で定められており、月給で払っている場合は時間額に換算して比較します。換算では、月給から一部の手当を除いた額を1か月平均所定労働時間で割ります。

時給者だけを確認して月給者を見落とすと、改定後に最低賃金を下回ったまま支払いを続けることになります。特に月の所定労働時間が長い事業場では、月給の額面が大きくても時間額に直すと最低賃金を下回る場合があります。

この記事で確認した内容と確認日

ホフィット中小企業ラボが2026年8月28日に確認した内容は次の3点です。

  • 厚生労働省が2026年7月28日に答申した令和8年度の目安は、Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円で、全国加重平均は55円上昇の1,176円、引上げ率は4.9%です。
  • 厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」には、2026年8月28日時点で令和7年度の情報のみが掲載されており、令和8年度の記載はありません。
  • 茨城労働局の最低賃金のページには、2026年8月28日時点で時間額1,074円・令和7年10月12日発効と表示されており、令和8年度の記載はありません。

茨城県の答申額1,136円は報道による情報で、2026年8月28日時点では茨城労働局の公式ページに掲載されていません。申請や賃金改定の手続きに使う額は、労働局の公示または官報で確認してください。

出典(いずれも各社公式サイト)